🌸 デルフィニウムの豆知識・育て方のコツ(発芽適温・生育適温)


🌱 デルフィニウムの豆知識

■ 基本情報

  • 学名Delphinium spp.

  • 科名:キンポウゲ科

  • 原産地:ヨーロッパ・アジア・北アメリカ

  • 分類:多年草・一年草(日本の気候では一年草扱いが一般的)

  • 用途:花壇・切り花・鉢植え

出典:『園芸植物大事典(小学館)』/タキイ種苗・サカタのタネ公式資料


■ 特徴

デルフィニウムは、青・紫・白・ピンクの鮮やかな花穂を長く立ち上げる草花で、華やかさと高さを活かした花壇・切り花用として人気です。特にブルー系統は希少性が高く、涼しげな印象からガーデニング初心者にも人気があります。

名前の由来は、つぼみの形がイルカ(=デルフィン)に似ているため。
園芸品種は「オーロラ系」「マリンブルー系」など様々な系統があります。


🗓 栽培スケジュール(温暖地目安)

作業 時期
種まき 9月中旬~10月上旬(秋まきが安定)
定植 11月中旬頃
開花 翌年5月~6月

🌿 育て方のコツ(初心者向け解説)

1️⃣ 土づくり

  • 水はけ・通気性の良い土壌(pH 6.0~6.5)を好む。

  • 元肥として堆肥・緩効性肥料(リン酸分が多め)を使用。

2️⃣ 種まき

  • 発芽には光が不要な嫌光性種子なので、1cm程度しっかり覆土する。

  • 湿らせた土にまき、乾燥を防ぐため新聞紙などで覆うと良い。


3️⃣ 発芽管理(重要ポイント)

  • 発芽には低温(15℃前後)を必要とするため、20℃以上では発芽が抑制される。

  • 秋まきが推奨される理由はこの低温要求性による。

  • 発芽までに2~3週間程度かかることがある。


4️⃣ 育苗と定植

  • 本葉3~4枚でポット上げ。

  • 株間は30~40cm程度。

  • 草丈が100~150cmに達するため、支柱立てが必要。

  • 根が浅く倒れやすいので風当たりの少ない場所が理想。


5️⃣ 栽培管理

  • 追肥:開花前に化成肥料または液肥を適量施す(リン酸分重視)。

  • 水やり:過湿は嫌う。乾いたらたっぷりが基本。

  • 病害虫:うどんこ病・灰色かび病・アブラムシに注意。


6️⃣ 開花管理と切り花利用

  • 開花期は初夏(5月下旬~6月中旬)。

  • 咲き終わったら花穂を切り戻すと、再度小規模に開花する場合も。

  • 切り花は水揚げ良好で花持ち1週間程度


🌡 発芽・生育適温

項目 適温 出典
発芽適温 15~18℃ タキイ種苗・サカタのタネ・『園芸植物大事典』
生育適温 10~20℃ サカタのタネ『花種まきカタログ』・農研機構資料

📌 暑さに非常に弱い植物なので、高温期(夏)は栽培不適。日本では秋まき~初夏収穫が基本


✅ よくある初心者の失敗と対策

失敗事例 主な原因 対策
発芽しない 温度が高すぎる 15~18℃厳守・秋まき推奨
倒伏する 無支柱/肥料過多 支柱必須・肥料控えめ
葉に白カビ 過湿・風通し不足 通気性向上・過湿回避